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なぜ栄養が重要なのでしょう?

アルツハイマー病 克服への路

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「アルツハイマー病 真実と終焉」という本を読みました。非常に重要な事が書いてあり、今後の社会のあり方を示す一冊だと思いますので、私見も交えてご紹介いたします。

アルツハイマー病は不治の病らしい

脳は、低栄養の影響を真っ先に受ける臓器です。

たとえば鬱病、そう診断され薬を処方されている人たちが増えています。しかしその中にはかなりの割合でただの低タンパクや低血糖が含まれている、これは栄養量療法を行なっている医師の間では常識となっていると言ってよいでしょう。

歯科医院にもエビリファイやジェイゾロフトといった向精神薬を服用中の方がお見えになるケースが増えています。それくらい一般的になってしまっているのが精神疾患なのでしょう。

その精神疾患の最たるものが、アルツハイマー病ではないでしょうか。鬱や双極性障害は工夫次第で克服できるケースがあることを良く聴きます。しかしアルツハイマーはどうでしょう。

難しい病気と言えば癌。しかしそこから生還した人の話、これも良く聴きます。〇〇をしたら癌が消えた…嘘もあるでしょうが、そのような事実があることはもう誰もが知っています。でもアルツハイマー病が治ったという話は聞いたことがありませんし、そうなのだそうです。すなわちアルツハイマー病は不治の病であり、発症が診断された時にはすでに手遅れであると。

アリセプトという進行抑制剤(アセチルコリンの分解を抑える)がありますが、これが効いていると感じる人はいないのだそうです。

アミロイドβは本当に原因か

アルツハイマー病は、脳内に「アミロイドβ」という物質が溜まることで発症するとされています。ですからこれを分解したり合成を阻害すればアルツハイマー病は治るだろうと考えられています。

それを信じて今まで様々な薬の開発が繰り返されて来たそうです。しかし結果はすべて不発、効果ナシ…これはもうアミロイドβが原因ではないだろう、アミロイドβは何らかの目的があって造られており犯人ではない、そう考えるのが自然です。

そこに着目し成果を挙げたのが、ここで紹介するデール・プレデセン先生。回復が100%ないアルツハイマー病を寛解させた多くの実績を持っています。すなわちアミロイドβを脳に作らせない方法論です。

本書によればアルツハイマー病には原因が36あり、それらをできるところから修復していくことが重要と説いています。それがReCODE(リコード)法と呼ばれるアプローチです。

ReCODE法はいつもの栄養療法と同じではないか?

36のアプローチについて具体的には本書をお読みいただくこととしますが、簡単に言えばReCODE法とは脳に対して以下のように働きかけます。

  1. 抗炎症
  2. 解毒
  3. 栄養供給

ということは、これは今まで学んで来た栄養療法のアプローチと同じであることに気がつきます。

栄養療法のことをサプリメントで不足している栄養を足す事だと思い違いしている方が多いのですが、そうではありません。栄養は確かに足りないのですが、足りない理由を探すことが重要で、それは食べてる量が少ないだけではありません。それよりも、

  1. 消費過剰(糖質過剰摂取によるビタミンB1不足・ストレスによるビタミンC消費過多…など)
  2. 消化吸収障害(胃酸不足・ピロリ菌感染・腸内細菌叢異常・咀嚼回数過少…など)
  3. 有害物質(水銀・化学物質・リーキーガットによる未消化タンパク質の流入…など)

以上を解決していないと、いくらサプリメントを増量してもうまく行きません。ですから私は栄養を入れる前に、胃腸機能・抗酸化・水銀排泄能の評価を行います。

例えば、抗酸化のためにビタミンC・E、CoQ10、アスタキサンチンなどを使うべきでしょう。

また下痢や便秘の方は腸の炎症がそのまま脳に飛び火しますので、L-グルタミン・乳酸菌製剤・短鎖脂肪酸で修復し、炎症の発生源である小麦と乳製品をカットしなくてはなりません。

またリーキーガット(いわゆる腸漏れ)の原因ともなる腸管カンジダを抑制するために、砂糖・ブドウ糖果糖液糖を0にする必要があります。カンジダは尿中有機酸検査で、アラビノースや酒石酸が検出される事で確定しますが、非常に高い頻度でカンジダの異常増殖が診られます。

ここまで実行すると普段の食事由来の栄養の利用効率が上がり、サプリメントでビタミンB群や鉄を入れなくても調子が上がる方もおられます。

これらは一般には知られていないアプローチですが、私たちの勉強グループでの定番になっています。

そしてこれらはそのまま、抗炎症・解毒・栄養供給に、つまりReCODE法で言う36の原因の中のかなりのものを対策することになります。

腸漏れならぬ、脳漏れとは

先に書いたリーキーガットとは腸の細胞間の結合が破綻し、有害物質や未消化タンパクが勝手に体内に流入する現象です。多くの方に診られ、血中や大便中にあるゾヌリンという物質を調べると解ります。

このゾヌリンを始め様々な炎症物質や活性酸素が、脳に与える影響についても研究が進んでいます。

腸の精密フィルターが壊れるのがリーキーガットでしたが、実は脳にもフィルターがあり、それが破綻する現象があることが確実視されています。それがリーキーブレイン、すなわち脳漏れです。

脳に入る血液は、血液脳関門という関所を通り、危険なものが脳内に入らないようフィルターがかけられています。今までこのフィルターはとても精巧なもので、破綻することなど考えられていませんでした。ところがフィルターは意外に脆いことが指摘されており、本書でも水銀や化学物質が脳内に蓄積し、アルツハイマー病の原因の一つになっていることを指摘しています。

さらに困ったことに、歯周病源菌であるP.ジンジバリスという細菌が、アルツハイマー病患者の脳内から発見されたとあります(p219)。これが脳漏れという現象です。

すると、脳漏れを防ぐにはまず腸内環境を整備する、すなわち栄養療法の基本をそのまま実行するということです。

栄養療法はいつまで傍流なのか

普通はこのような画期的な手法は研究が進み、学会発表や治験が進んでからリリースされます。しかしプレデセン先生は今回はそのような手順を踏まず、一般向けの書籍で啓蒙することを優先させました。なぜなら、一般医師にはまだ受け入れ難い方法だからです。

本書の第12章には、ReCODE法を受け付けない一般医師とのやりとり…というか不満が書かれています。栄養療法も同じく、一般医師にはなかなか受け入れてもらえない状態です。栄養療法はまだまだ傍流なのです。

医学の世界が変わるにはたいへんな時間がかかります。その間に病気で苦しむ人は増える一方、では先に一般の方に教えた方がよほど良いだろうと考えたのでしょう。

分子栄養学(≒栄養療法)の創始者であるライナス・ポーリング博士も、医学会の常識を変えるには時間がかかりすぎるので、一般市民に先に話をしたほうが良いと言ったそうです。日本に分子栄養学を持ち込んだ金子雅俊先生もその教えにならい、一般向けのセミナー多数開催されてきました。

幸いにも栄養療法は、ちょっとした知識と実行力だけで大きな効果をもたらします。まったく医学知識がない人でも気軽に始められるところが大きな特徴です。

栄養療法はまだまだ傍流ですが、徐々に標準医療に組み込まれ、大きな成果を挙げて認知されてゆくことでしょう。

しかしあなたにその日を待っている時間があるのでしょうか。

この本には非常に重要なことが網羅され、ぜひご一読をお勧めしたいのですが、残念ながら翻訳本であることの読みにくさと、若干専門性が高いこともあり、まったく予備知識がないかたがいきなり読んでも難しいと思います。

そこで次回は「これから栄養療法を学ぶ人のための10冊」と題して、吉田歯科診療室にある100冊あまりの本から厳選した10冊をご紹介したいと思います。お楽しみに!

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