胃腸が弱い方のために、ローコストなのに効果抜群なボーンブロス。こちらでもご紹介した通りですが、
じゃ、実際どうなんだ?って話もあります。
そこでタンパク質摂取の定番であるボーンブロスを、吉田が普段どうやって作っているかを大公開。
自分が大事だから、忙しくてもやっちゃいます。と言っても、とっても簡単なんですから!
だから実は診療室でも作っています。
別に料理が趣味ではない私がどうやっているのか、どうぞご覧ください。
目次
そもそもボーンブロスとは?
その前に、そもそもボーンブロスとはなんぞや?
ボーンはもちろんBone、骨ですネ
ブロスはBroth、辞書をひくと「肉や魚を煮出して作ったスープ」とあります。
つまりボーンブロスとは、骨スープのこと、ラーメンの豚骨や煮出と同じ。
しかしここで肝となるのは骨ではなく「骨髄」を煮出すことです。
骨髄とは、骨の中にある造血器官。つまり赤血球や白血球などの血液成分の原産地。当然栄養がギッシリ詰まっています。
骨の中なので普段は食べられませんが、それをグラグラ煮詰めていただきましょう!という訳です。
これは聞いただけでウマそうです!
歯肉も骨もタンパク質から
ボーンブロスの主成分はタンパク質。それも液体。
液体ということは、胃酸とすぐに混ざり合い、ペプチド→アミノ酸までの分解が早いってこと。
胃腸が弱い人には超朗報です。
それに亜鉛やマグネシウムなどの、摂りにくいミネラルも豊富に入っています。
吸収されたアミノ酸は全身に運ばれ、歯科に関しては主に歯肉と骨の構成部品(コラーゲンの基材)として使われます。
血液検査で総タンパク6.8とか、アルブミンが3.8とかの方は、標準医療では基準値内で異常なしと言われますが、分子栄養学的には明らかなタンパク質不足。
代謝低下による脱水も考慮すると、擬似高値の疑いもあり、実値はさらに下がっている可能性も高い。
困ったことに、歯肉はお肌と同じく、生体が命を維持するための優先順位は下の方。
つまり内臓や脳にタンパク質が充足された後に届けられます。後回しなんですね。
ですから歯肉やお肌の調子が悪い人は、すでに内臓や脳に問題がある可能性が高い、という事。
さあ、このタンパク質摂取の定番であるボーンブロスで、今すぐ改善を始めましょう!
ボーンブロスを作ってみよう!
では実際に吉田がどうやっているか、以下をご覧ください。
骨を用意する
骨は豚でも牛でも何でも良いのですが、今回用意したのは《鹿》の骨。いわゆる一つのジビエです。汚染の心配も最少です。
別に歯科だから鹿を選んだのではなく、たまたま知人の紹介で、クール便代のみでお分けいただいたものです。
アリガタヤアリガタヤ
さてさて、ブツはジップロックに入れて送っていただきましたが、氷ってくっついて分解できません。
しかしここは鹿、いや、歯科医院。いろんな器具がありますので、めでたく凍ったままバラバラにできました。
肋骨は金槌で折る
このままでは長すぎて鍋に入りません。
そこで切断するのですが、肋骨は金槌で簡単に折る事ができます。
このビデオは診療後の1シーン。
何も言わなくても衛生士がビデオを撮ってくれました。今時の女子ですネ。
肋骨は廻りに肉がたくさんついていますが、細いだけあって骨髄の量はあまり期待できません。
なお破片から目を守るために眼鏡をしています。
手足の骨はノコギリで
手足の骨は太くしっかりしており、さすがに金槌では無理。ノコギリの出番となりました。
こちらは骨髄がシッカリあります。
と、以上の作業は力仕事ですが、親切な肉屋さんを探せば、骨を切った状態で売っていただけます。ご近所で探してみてください。
土鍋には香草や野菜も
ここで使用した鍋は、こちらでご紹介した土鍋。圧力鍋に入れる関係で、小さいです。
肉だけだと味がクドイので、お好みで香草や野菜を入れましょう。
こちらは定番の月桂樹、ローレルですね。自宅近くのスーパで買いました。
(そう言えば昔そんな名前の車があったっけ:余談)
ぬちまーすを入れる
やはり味付けに塩が要りますが、ここは沖縄の天然塩《ぬちまーす》を使います。ミネラルがたっぷりです。
野菜も入れる
無くても良いのですが、野菜も入れたりすることも。こちらはタマネギ。
セロリもお勧めです。クセのある野菜ほど良いですね。パクチーなんかも良いかも。
酢を忘れずに
ボーンブロスを作るうえでたいへん重要なのが《酢》です。
これにより、ミネラルの抽出量が思いっきり上がります。
ここでは良くあるリンゴ酢を使っていますが、お好みで何を使っても良いでしょう。
量も適当です。
煮出す
ここまで来たら煮出しに入ります。この写真の日は急ぐために、圧力鍋を使いました。
強圧で1時間。けど20分くらいでもだいじょうぶかと思います。
ビタミンが壊れるので弱火で12時間くらいが良いと言う人もいますが、良くわかりません。下の論文では変わらないとありますが、ご参考まで。
弱火で長時間煮出すのはちょっと危険なので、スロークッカーやシャトルシェフを使う人が多いそうです。
完成!
という事で、出来上がり!
色が地味になったのは、ミネラルが豊富な証拠です。
さて、このまま飲んでも良いのですが…
携帯ポットに入れてお出かけ
とある日は休日でしたが、始発で出勤して資料整理をすることにしていました。
緊急事態宣言中でファミレスがまだ開いてないので、ボーンブロスを携帯ポットに入れ、前日にデパ地下で買っておいたお弁当を持って隅田川テラスへ。
聖路加国際病院外の階段に座り、川沿いを走る人を横目に朝ゴハンです。最高に気持ちイイです!
その後は聖路加ガーデンのロビーで、ボーンブロスをチビチビ飲みながら事務処理でした。
三番出汁まで作れる
実は出かける前に、再度野菜などを入れ、今度は加圧せずに鍋を仕掛けてきました。
煮出し具合にもよりますが、三番出汁くらいまではできます。
最後の骨は上の写真のように、ボロボロになり、一部は噛んで食べる事もできます。やらないけど…
もちろん診療室は施錠してきてますので匂いが心配ですが、意外にしないものでホッとしています。
もちろんその後は換気をします。
ボーンブロスは少量頻回で
私のペプシノーゲン1は53くらいなので、まずまず胃酸は出ている方。
しかし年も重ねてまいりまして、消化吸収能は落ちてきているはず。だから今のうちにボーンブロスで修復です。
すでに胃腸機能が落ちている方は、こんな感じでボーンブロスを作り、携帯ポットに入れて、仕事中にも少量を頻回飲むようにしましょう。
こうして胃腸に負担をかけずにタンパク質やミネラルを効果的に摂る事で、体は設計図通りに再構築されます。
プロテインファースト
タンパク質は、英語でプロテイン。
その語源は、ギリシャ語の「一番大切」という意味であるプロテイオス(proteios)だそうです。
体調が悪化した人に、タンパク質の大量摂取を勧める人が多いのですが、胃腸機能が落ちている人はまったく逆効果です。
その点ボーンブロスは胃腸に最少の負担でタンパク質を摂ることができます。
既成のボーンブロスも売られていますが、ここは一つ自分でお造りになってみてはいかがでしょう?
骨の種類で変わる味も楽しめますし、何と言っても安くて安全です。
およそ調理の知識など必要ありませんし、誰もが作れるのがボーンブロスです。
さあ、このタンパク質摂取の定番であるボーンブロスで、体の再構築を始めましょう!
香草など良いものがありましたら、ぜひお知らせください。