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栄養阻害因子とは?

タンパク質を増やしたら調子が悪い!?

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食事記録と血液検査データーを読んでいると、もうほとんどの方が「タンパク質の摂取不足」であることが解ります。

タンパク質は体の中で1日約200gがリサイクルされていますが、排泄される分を補うために毎日約70gを食事から摂る必要があると言われています。

タンパク質をほとんど食べていないのに、総タンパクは7.4くらいで基準値に入っている方がおられます。これは低タンパクと同時に脱水による血液濃縮がおきているため、見かけ上基準値内に入っているのではないかと予想します。必要なタンパク質は、筋肉を分解して得ています。その分体重が減りそうですが、糖質過多の食事をしていると脂肪が溜まって行きますので、±0で気がつきません。

分子整合栄養医学を始めて学んだとき、タンパク質の大切さを教えられました。だから解りやすく肉・卵・チーズをたくさん食べましょうという、MEC食が提唱されるわけです。これに野菜を加えれば完璧…と、最初はそう思っていました。

しかし現実はそんなに簡単ではなく、タンパク質を増やすとかえって調子が悪くなる人がけっこういることを知りました。

原因は簡単でした。胃腸がうまく動いてなく、消化不良を起こしているのです。具体的にはこうです。

  1. 胃酸が少ない(ペプシノーゲンというのを測ると解ります)
  2. 胃にピロリ菌が感染している(胃粘膜が萎縮して胃酸が出ない)
  3. 消化酵素が少ない(便総合検査というものをやると解ります)
  4. 腸に乳酸菌が少なく、カンジダなどの悪性菌が優位になる(便総合検査や有機酸検査で解ります)

1と3は大元がタンパク質なので、タンパク質を増量したいのですが、そうしても消化吸収ができないのでかえってうまく行きません。また2と4は除菌や減菌を先に考えなくてはなりません。

特に4のカンジダが腸内で勢力を持っていると腸のフィルター機能が壊されて、未消化のタンパク質がどんどん血中(つまり体内)に流れ込んで行きます。これが遅延型食物アレルギー(IgG)で、体調不良の大きな原因となります。

また消化が悪ければ、アミノ酸に分解されていないタンパク質は腸内で腐敗しますから、お腹が張って体調不良を助長します。便秘で何日もタンパク質が停滞しているようであれば、その影響はさらに強くなります。

さらに胃酸が少なければ鉄や亜鉛のイオン化ができず、フェリチンが少ないからとヘム鉄を飲んでも腸内で活性酸素を発生させるだけで、やはり体調不良を助長します。

タンパク質の摂取上限量はないという話がありますが、それはあくまで胃腸が健全な人の話です。タンパク質を増やしてかえって調子が悪くなったとか、もともと肉は食べられないという方は、積極的に阻害因子検査をして解決策を見つけることをお勧めしています。またカロリー不足にならないよう緩やかに糖質制限を進めながら、消化酵素剤や乳酸菌の積極摂取から始めた方が、結果が早いと感じています。

もちろんその前に胃腸の働きを楽にするために、食事はきちんと噛まないことにはどうしようもありません。一口最低30回、しかしこれだけで挫折する人がおられるくらいですから、現代食とは甘やかしの商売の上に成り立っていることがよくわかります。

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