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なぜ栄養が重要なのでしょう?

具体案 胃腸が弱い方のためのタンパク質の摂り方

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分子栄養学の初歩では、とにかくタンパク質が大切だと習います。しかし胃腸が弱くタンパク質の消化吸収がうまく行かない人が大勢いらっしゃいます。そんな方のために、無理のないタンパク質の摂り方の具体案をご紹介いたします。食材・機材のリンク付きですので、すぐに実行できますよ!

プロテインファースト?

タンパク質は英語でプロテイン、これはギリシャ語の「一番大切」という意味であるプロテイオス(proteios)が語源だそうです。タンパク質は体を構成するパーツやコントローラーの原材料、これがなければ話にナランというわけです。

だいたい成人で1日270gのタンパク質が代謝(体内での化学反応)され、そのうち200gは体内でのリサイクル、70gは分解排泄分を補うために食事から摂取しなくてはなりません。

もし摂取量が少なければ、筋肉を分解してまでもタンパク質を確保するか、代謝そのものを落としてタンパク質を節約するように体が調整します。いわゆる省エネモードです。しかしこれでは疲れが抜けないし、病気の回復も望めません。

私のところは歯科ですが、ほとんどの方に食事記録を取ってもらっています。するとほとんどの人が確かにタンパク質を食べる量が少なすぎることが判ります。

ならば食事のタンパク質量を増やそうと肉や魚を食べてもらう、するとかえって調子が悪くなる人が少なからずおられるわけです。つまり、ぜんぜんプロテインファーストではなかった。それについては、以下にも書いてみました。

タンパク質を増やしたら調子が悪い!?

ということで、みなさん胃腸が弱い、すなわち消化吸収が悪い、これでは何を食べてもたいして利用されません。

しかしそれでも最も大切なタンパク質は入れてもらわなくてはなりません。さてさて、どうしたら良いのでしょう?

タンパク質→ペプチド→アミノ酸

実はその答えもすでに挙げております。以下をご参照ください。

胃腸が弱い方のための改善案

タンパク質とは、大きな粒(分子量)だと思ってください。これは胃酸や腸での消化酵素により、ペプチドという小さめの粒に分解されます。消化が進むとさらに小さくなって、最後はアミノ酸という形になって小腸から吸収されるという経路をとります(実際には完全にアミノ酸に分解されていないものも一部吸収されるものもあります)。

消化吸収能が落ちている場合は、この行程を補助するものを少量ずつ様子を見ながら摂取してみましょう。急に入れると、特に便秘の方はお腹の中での停滞時間が長いのでタンパク質が腐敗し、お腹が張ったりガスばかり出るような事になります。

これだけある具体的な改善策

前置きが長くなりましたが、ここでは上記の記事を捕捉する意味で、具体的に何を使えば良いのかを挙げてみます。けっこういろいろあります。

ボーンブロス

ボーンブロス

いやゆる骨ガラです。ブタさんの骨を使えばトンコツスープです。肉塊のように固形物を胃腸で分解する必要がないので、速やかに消化されます。

骨はカチカチの個体と思われている方も多いと思いますが、それは外側だけ、内部は骨髄という造血組織が入っていますので、それを出汁として摂りましょうというものです。

ボーンブロスはすでにコーヒーの代替品として愛飲する人が増えています。タンパク質をユル〜く持続的に入れることで、血中アミノ酸濃度を適切に維持させようというものです。健常人であっても、運動量が多い人・頭脳労働が長い人ほどオススメです。

ボーンブロスの作り方はいたって簡単。肉屋さんで鳥でも豚でも牛でもかまいませんので、骨だけ買ってきましょう。数百円で大量に手に入ります。親切なところだと、鍋に入る大きさにカットしてくれます。

あとはただ鍋に入れてコトコト煮出すだけ、弱火でだいじょうぶです。8時間くらい煮出す必要があるので、火の取り扱いだけは注意しましょう。心配な方は専用の電気鍋が安価に売られていますので、使ってみてはいかがでしょう。

真空保温調理器具というのもあります。使った事はありませんが、たぶん行けるでしょう。

ちなみに私は診療室で電気圧力鍋でやっています。これだと1時間かかりません。

ただしアルミ製なので、水を張ってさらに中に土鍋を入れ、そこに骨を入れます。上の写真の黒い鍋がそれです。

ボーンブロスは、物によっては三番出汁くらいまでとることができます。

しかし基本肉ですので、匂いには好き嫌いがでます。どうしてもダメならば、次の鰹出汁はいかがでしょう?

鰹出汁

鰹出汁

鰹節は、世界一硬い発酵食品。削るのはたいへんですが、幸い出汁専用の鰹節(荒削りです)が売っています。これに熱湯を注ぐだけで、立派な液状タンパク質が摂れます。

私は煮出すのではなく、専用の出汁ポットに熱湯を入れて作っています。

ただしこのままでは香りは良いのですが無味ですので、良質の塩(ぬちまーす粟国の塩など)や塩麹(ちゃんと活性しているモノを。詳しくは以下で書きます)を入れます。

三番出汁くらいまでは平気で使えますので、かなりコスパが良いです。写真の大入りパックは一年持ちました。以下をご参照ください。

もっと手軽に作りたいという方は、こちらの出汁パックを使ってみてはいかがでしょう。

山羊ミルク

goat milk

液状のタンパク質というと牛乳を思い浮かべますよね。しかし人は牛乳に含まれるカゼインというタンパク質を分解する力があまり無いので、基本お勧めしておりません。

そこで、山羊ミルクです。粉末をお湯に溶かすだけ。ダマになりやすいので、人に出すときは網に入れて溶かしましょう。

ただしこれも匂いが気になるという人がいます。ちなみに私は、これにチアシードとバターを入れて飲んでいます。

おさかなペプチド

お魚ペプチド

魚を原料に、タンパク質をペプチドにまで分解した製品。当然、吸収効率はグッと上がります。

蒲鉾で有名な鈴廣が作っており、大きな会社なだけあってけっこう立派な研究施設での成果だそうです。粉末で、お湯や味噌汁に溶かして使います。生姜を加えてありますので、魚臭さはありません。

けっこう便利で需要も多いので、当診療室でも販売しています。

丸どりだし

丸どりだし

お湯を沸かすのもメンドウ…という方には、すでに製品として出来上がっている鶏ガラスープがお勧めです。

単体で飲んでもかまいませんし、お好みでいろいろな物に混ぜてみましょう。

以上はすべて液状ですので、お家で作ってポットに入れて、お腹の様子をみながらまめにチビチビ飲むようにしてみましょう。

アミノ酸製剤

タンパク質もペプチドもダメという方は最後の手段、完全に分解されたアミノ酸製剤を使いましょう。写真の製品は粉末でスティック状の梱包。そのまま水と一緒に飲みましょう。

アミノ酸の配合により多くの製品がありますが、それぞれ目的が異なります。最初は必須アミノ酸と言われる9種類すべてが入っているものを選びましょう。

なおドラッグストアなどで安価に手に入る製品は、価格から考えるに品質や容量に問題がある製品が多いようです。医学的な効果を狙うには、基本医薬品扱いのちゃんとした製剤を選ぶ必要があります。写真の製品は当診療室でも扱っておりますので、詳しくはお問い合わせください

たまご

最も手軽にタンパク質を取る方法、それが卵です。

卵はコレステロールを上げるので1週間に3個まで…なんて話を聞いた事はありませんか?それはすでに古い情報ですので、キッパリ忘れましょう。卵でコレステロールを摂取しても、肝臓で作られるコレステロール量が減少しますので、結果は変わりません。ですから1日3個くらい食べてもだいじょうぶ、むしろ恩恵の方が多大です。

卵はタンパク質だけではなく、良質なビタミンやミネラルなどを多く含みます。安価でどこでも入手できますから、ぜひ食卓に加えてみてください。

私はスタッフからもらった温玉専用ポットに熱湯を注ぎ、半熟状態にして常食しています。

消化の補助に

いくら消化に良いものといっても、やはり胃酸が出ていなけければダメですよね。他に固形物も食べるわけですから、何かしら消化を補助する工夫も必要です。そこで…

レモン

胃酸を補助するのですから、最初から酸を入れてみます。まずはレモン水を使ってみてはいかがでしょう。唾液の分泌も上がりますので、消化に好都合です。

私は呑みに行くと、二杯目は生レモンハイにすることが多いです。(一杯目はやはりビールですが…)

梅干し

梅干しも当然良い選択となります。ただし昔ながらの造りのものに限ります。

最近主流の梅干しは甘味料を添加してあるので、まったくお勧めできません。パッケージ裏面の成分表をよく確認してから買いましょう。意外に本物は売ってないので、通販を探す方が早いと思います。

塩麹・醤油麹

以上は胃酸補助でしたが、今度は消化酵素の補助です。代表的なのは塩麹、そして兄弟の醤油麹です。

両者とも消化酵素としても働きますので、消化機能が落ちている人には好都合です。

ただし、麹が生きている(活性がある)事が絶対条件です。スーパーなどで売っている塩麹は反応停止材が入っており、活性が無いので役に立ちません。すなわち消化補助にならない。

なぜそんな事をしているかというと、麹は生きていますので、そのままだと発酵が進んで陳列棚で爆発してしまうのです。

ここは面倒なのですが、手作りでやるしかありません。ちなみな私は知人から手作り品を定期的に分けてもらっており、ボーンブロスや鰹出汁に入れ、診療の合間にこっそり美味しくいただいております。

なお塩麹・醤油麹について詳しいことは、以下をご参照ください。

消化酵素材

以上ができないのであれば、やはりサプリメントで消化酵素を補うことを考えましょう。塩酸ベタインなどがよく使われます。

ただしこの消化酵素材はフィードバック阻害と言って、使い続けると体の方がサボり出します。ここぞという一発で使うようにしましょう。

最後のキメはやはり良く噛むこと

いかがだったでしょう?これなら実行できそうというものはありましたか?

私は普段の食事は普通に摂っていますが、年齢的にも消化吸収能は落ちていると思いますので、鰹出汁で補っています。またランニングや筋トレ時には CLAとBCAAというアミノ酸製剤を使っています。

大切なのは、これらは皆「リラックスした状態で使う」ことです。胃腸は副交感神経で動きますので、緊張状態では十分働きません。すなわち消化不良をおこし易くなる、これではせっかく工夫した食材も意味をなしません。

また、ビタミンB12は胃から分泌される内因子という酵素で活性化されますので、そのためにもリラックスした状態であることが重要です。お昼を急いでかきこむ…ってのはダメなのです。

そして最も重要なのは、やはり普段の食事を良く噛む事です。噛めば食材は粉砕され唾液と混ざり、胃酸や消化酵素との接触面積が増え効率が上がります。いろいろな健康法を述べる前に必要なのが「噛む」事です。

一口最低30回、できれば100回噛んでいただきたい。これだけで大変な効果があるはずです。もちろんそのためには、ちゃんと噛める歯が必要なのは当然ですよね。

しかしたいていの方は歯があっても、そんなに噛めないとか、疲れるとか言うわけです。そこが間違っているから、今不調を抱えていることにぜひ気がついていただきたいものです。

以上のように、一度落ちてしまった栄養状態を元に戻すには様々な工夫が必要です。理屈や具体案を挙げてきましたが、本当はそれ以前に考え方やライフスタイルを見直す事が肝要です。目的意識を持って自発的に取り組めるようになれば、改善は意外に早いものです。ぜひ考えて実行してみてくださいネ!

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