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栄養解析とは何か?

企業検診を積極的に利用しよう

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「検診」って、受けてますか?会社や、市町村でもあります。節目検診なんてのもありますね。これ、ちゃんと有効に活かしてる人って、どれくらいいるのでしょう?せっかくのデーターですから有効に使いたいものです。

会社の本音は「検診なんてやりたくない」

会社で行う検診ってありますよね。日本では50人以上の常勤労働者がいる事業所では、一年に一回の健康診断が義務付けられ、その報告書を労働基準監督署に提出しなければなりません。

私たちのところでは、初診のときに直近の血液検査データーがあれば持参いただくのですが、会社員のかたはこの企業検診の結果を持ってくることが多いです。

拝見すると、男性会社員で典型的なのは「AST 22・ALT 40・γGTP 40」という脂肪肝を疑わせるパターンです。しかしこれらはみな「基準値」に入っていますので正常と判断され「A」と書かれています。肝機能的には(誤解を恐れずに言えば、保健医療的には)問題なしですが、栄養的にはアウトです。さらに、ここにビタミンB6が不足していれば、実際のALTはもっと悪いでしょう。

一方、女性会社員の典型例は、見逃されている貧血とタンパク不足です。「AST 14・ALT 9・BUN 10」という感じです。これも基準値内ですから「A」判定で、何も言われません。「ヘモグロビン 11.5・MCV 87」なんてのも典型で、この先には鉄やマグネシウムの不足も予想されます。もちろん何も言われません。

検診でそのような所まで読んでもらえることはありません。なぜなら、検査会社は商売であり、できるだけ簡単に済ませようとするからです。診断結果をみれば、定型文がコピペされているだけのものがほとんどです。

また検査事業の主体である会社は、できるだけ検診コストを下げようとしており、健康管理に真剣とは思えません。残念ながら、検診は企業にとってお荷物なのです。しかしこれは、とってももったいない事ではないでしょうか。

明らかにおかしい数値なのに

一方で、とある方の検査データは、明らかに基準値を大きく超えていました。私はそれを見て、こう言ったことがあります。「これ、再検査って言われましたよね?」

ところが患者さんは「何のことですか?」といった感じ、そもそも何で歯医者で血液検査データーが要るんだ?といいます。

どうやらその会社では検診を受けない人が多いらしく(罰則規定があるのですが)、あるいは受けても結果を気にする人などいないと。検査結果の封筒が送られてくるだけで、そのあと会社がどうしろとは言わない。検査結果などどうでもいいから、さっさと仕事をしろと言わんばかりのようです。

もちろん社風というものもあるのでしょうが、「別に調子が悪いわけではないのだから」で済ませるのが普通のように思います。調子が悪くなったことに気がついてからではまったくの手遅れ、だから検診というものが法制化されているのに、形骸化しているのに気づかないのです。

企業検診本来の目的

そもそも企業検診の目的とは何でしょう?「社員にいつでも100%実力を発揮してもらい、経営に貢献してもうために行う、さらには健康保険料の拠出を抑える」といいうものではないでしょうか?

若い社員ばかりの会社であれば病気も少なく、健康保険の拠出も少なくて済みますから、あまり気にしなくても良いかもしれません。しかし、中高年世代が増えた会社ではそうも行きません。それでも日本人は「病気になってもたいしたことはないはず、もしもの時は医者や薬が治してくれる」という風潮を根強く感じます。

もしあなたの会社が企業検診を「義務なのでしかたがなくやっている」ようであれば、少なくてもあなただけでも変わってみたらいかがでしょう。検診は本来「社員にも会社にも大きなメリットをもたらすすばらしい制度」なはずです。

ただし、検診を行う所で本当にあなたに必要なデーターが提示されるかどうかは、また別な問題です。ですから私たちは検診という限られたデーターを元に、問診や食事記録から栄養状態を解析、「この検査を追加してはいかがでしょう?」と提案し、歯周病や歯軋り対策のお話に繋げます。そしてそこに連動して、全身の健康を手にすることができるとは、とっても素晴らしい話になるのではないでしょうか。

吉田歯科診療室デンタルメンテナンスクリニック 予防と栄養医学療法







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