DentalNutrition.jp

医療が、社会が、歴史が見誤ってきた「栄養」に焦点を当て、歯科・口腔外科の立場から、歯周病・インプラント周囲炎・はぎしり・不定愁訴について考えます。

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予防を突き詰めてゆくと、必然的に「栄養」の問題に直面します。「低栄養・隠れ栄養失調・阻害因子」を無視した医療のままで、高齢社会を乗り切れるのでしょうか?

Why, Nutrition ?

なぜ歯科・口腔外科で「栄養」の話が必要なのでしょう? 糖質制限・ケトン体・高タンパク高脂質食・阻害因子とは?急変した食と栄養の医療との関わりについてお伝えします。

What, Nutrition ?

血液検査と食事記録から栄養の過不足を解析し、全身を評価する手法とは?一般的な血液検査とはまったく異なる栄養医学療法の検査値の読み方などについてお伝えします。

What, Inhibitor ?

せっかく栄養を摂っても、吸収や利用を阻害するものがたくさんあります。毛髪ミネラル検査・有機酸検査・ピロリ菌検査・歯周病菌検査などについてお伝えします。

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顕微鏡・レーザー・CTに加え、栄養医学療法を活用し、積極的な予防と健康獲得を目指す、吉田歯科診療室 デンタルメンテナンスクリニックの活動についてお伝えいたします。

Latest From The Blog

  • ペプシノーゲンを測ってみよう

    Tweet 私たちのところでは、初回の血液検査では必ずペプシノーゲンというものを測らせてもらっています。 その前に、ペプシンて聞いた事ありませんか?胃から出る消化液、簡単に言うと強酸です。ペプシンは胃の中でタンパク質を分解し、小腸から吸収しやすい形に変える役割をしています。したがってペプシンが少なければ消化不良でせっかく食べたものも吸収されず、無駄になってしまいます。それどころか、後で書くように悪影響が出てしまいます。 このペプシンが胃にちゃんと出ているかどうかを直接測るのはちょっと面倒なのですが、血液中のペプシノーゲンというものを測るとだいたい状態が解ります。ペプシノーゲンは胃で造られ、その99%はペプシンに変換され、残りは血液中に入りますので、それをキャッチし測定します。 ペプシノーゲンにはIとIIがあり、Iは胃底腺というところから、IIは噴門とか幽門ということろから分泌されます。Iが70以上あるとペプシンの分泌は十分と判断され、またIはIIの3倍以上が良いとされています。この事から、以下のように推察します。 1・Iが70以上 I/IIが3以上 → 問題なし 2・Iが70未満 I/IIが3未満 → ちょっと心配 3・Iが50未満 I/IIが3未満 → かなり心配 4・Iが30未満 I/IIが2未満 → すごい心配 胃が炎症を起こし萎縮してくると、この値が悪くなって行きます。胃癌の検診に良く用いられるのはそのためで、4のような状態の方は直ちに胃カメラでの診断が必要です。 また胃癌の原因とも言われるピロリ菌がいると萎縮が進むので、ペプシノーゲンの値が悪くなってきます。ですからこの検査と同時にピロリ菌がいるかどうかの検査も同時に行っています(抗ヘリコバクターピロリIgG検査と言います)。 さて私たちのところでペプシノーゲンを測ってみた結果ですが、実はIが70以上の方は未だに一人もおられません。50以下の方も半数で、ピロリ菌検査で陽性になった方も多数おられます。私たちのところには特に胃症状がある患者さんが集まるわけではないので、一見正常な人であっても胃酸の量がたいへん少ない人がかなり多いと推察されます。 さてそうすると、消化吸収不良はほとんどの方に起きていると予想します。また胃の調子が悪いからといって、自己判断で胃薬(胃酸抑制剤)を使っている人はかなり危険です。 ペプシノーゲン値が悪い方は、総蛋白やアルブミンの値が悪い方が多く、これは歯肉や骨の治りの良し悪しに直接響きます。つまり歯周病治療やインプラントの維持にはとても重要だと考えています。 解決策はと言えば、胃酸を増やすためにその原材料を増やすという事が考えられます。ところがその原材料とはタンパク質です。胃酸が少ないところにただタンパク質を増やしては、また消化不良で逆効果です。補助として消化酵素剤を適宜使う必要がありますが、それに頼るのではなく最終的には胃酸が出る体質に戻す必要があります。したがってビタミンやミネラルのバランスを是正してゆく必要があります。 一つよい改善策があります。それは「良く噛む」ことです。良く噛めば食物は細断され、胃酸との接触機会が増えます。つまりタンパク質の分解効率はアップ、そのまま小腸での吸収効率もアップ、これはお手軽です! なのに現代人は一般に噛む回数が少なすぎます。それでもたいした自覚症状がでないのも、現代人が楽な生活環境を手にしているからです。しかし実は体は悲鳴をあげています。体の中の多くの化学反応(代謝って言います)が滞り、不定愁訴を連発します。このような状態で手術に入るのは、やはりどうかと思います。 さて私自身がが栄養医学療法を適用する前のペプシノーゲンの値は、Iが58,4・I/IIが4.9で、上記の判定1と2の間でした。その後人生初めて胃カメラを飲んでみましたが、結果はキレイな胃粘膜で問題なしでした。今はタンパク質とビタミンB群を多くした食生活なので、いくらかは改善しているのではないかと思います。 ペプシノーゲン検査は最近では胃癌検診で頻繁に行われるようになり、バリウムを飲んでレントゲンというのは少なくなってきたようです。健康保険では測れませんが、自分で測るキットも売られており、手軽に胃の状態を把握できる時代になりました(かなり高額ですが…)。ただしその値には個人差が大きいことも忘れてはなりません。 一般に東洋人は、欧米人と比べて胃酸が弱いという話を聞いた事があります。そうでなくても飽食の時代でバランスが崩れ、ストレスで胃がやられ、隠れ栄養失調が蔓延している時代です。食材を選び、良く噛むこと、そのためにもきちんと噛める歯を維持することが重要だと言えますね。 ちなみにペプシコーラの語源は、ペプシンなのだそうです。消化剤を主原料としていたそうですが、今はどうなんでしょうね? Tweet
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  • 有機酸検査

    Tweet 有機酸とは体内で産生される様々な化学物質のことで、そのうち尿中に排泄されるもの76項目を測定するのがこの有機酸検査です。体内の化学変化を間接的に診ることができ、自閉症や発達障害の診断から発展してきました。現在、以下のように多くの病態を特定することに応用されています。 動脈硬化 メタボリックシンドローム 手足の冷え エネルギー不足 多動性障害 自閉症スペクトラム障害 慢性疲労症候群 うつ病 過敏性腸症候群 腸管壁浸漏症候群 下痢、便秘 統合失調症 トウレット症候群 その他… 検査結果は、下記のような代謝産物ごとに整理されて記載されます。 真菌・細菌の産生物 シュウ酸炎代謝物 エネルギー生産代謝物 神経伝達物質代謝物 ピリミジン代謝物 ケトン・脂肪酸代謝物 栄養素マーカー 解毒の指標物質 アミノ酸代謝物 骨代謝物 たとえば自閉症患者と健常者の検査値を比較すると、神経伝達物質が過剰だったり不足していたりと、明らかな差があります。その過不足を補正する方向で栄養素を補給すれば、問題は解決に向かいます。 歯科口腔外科では毛髪ミネラル検査と同様に、手術前評価やメンテナンスの指標にすることができます。主に真菌・細菌の産生物で腸内環境を評価したり、神経伝達物質で炎症の度合いを評価します。また抗生物質による腸内悪性菌(カンジダやクロストリジウムなど)の増加具合を診ることもできます。 検査値は、具体的にこんな感じで読んでいきます。 酒石酸とアラビノースという項目が上がっていると、腸内のカンジダが優勢で、腸管壁浸漏症候群(リーキーガット)になっていると読みます。 キノリン酸と5-HIAAの比率を診ます。どちらもトリプトファンというタンパク質が代謝(化学変化)してできる有機酸ですが、どこかに強い炎症があるかストレス過多だと比率が高くなります。これはセロトニンやメラトニンという精神状態や睡眠に関わる物質の低下を意味します。 コハク酸やフマル酸などで、ミトコンドリアでのエネルギー生産具合を評価します。 HVAとVMA の比率が下がっていると、神経伝達物質であるドーパミンからノルエピネフリンへの転換が異常を判断します。 リン酸が上がっている場合、副甲状腺機能亢進・ビタミンD不足・骨折による骨吸収・鉛の蓄積を疑います。   有機酸検査は手軽に受けられる検査で、朝一番の尿を容器に入れて入れて送るだけです。保冷パックが付属していますので、予め冷凍庫に入れておきましょう。 検査にあたり注意しなくてはならないの、前々日から果物とワインを摂らないようにするということです。これを摂ってしまうと、酒石酸の値が上がってしまうからです。 検査データーからの評価は、問診・食事記録・血液検査などと照らし合わせて行います。決して有機酸検査だけで評価はしないことが大切です。 それにしても、食物が腸内で代謝された一部が尿中に排泄されるというのはちょっと想像できませんでした。今後は歯周病原菌が産生する有機酸が検出されるようになったらいいですね。 参考サイト グレートプレインズ・ラボラトリー http://www.greatplainslaboratory.com/organic-acids-test/ アンブロシア http://www.ambrosia-kk.com/product/product_details.php?id=10 カリフォルニアニュートリエンツ http://www.ca-nutrients.com/OAT.html http://ca-nutrients.com/g-1.html Tweet
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  • 毛髪ミネラル検査

    Tweet 毛髪ミネラル検査は髪の毛の根本3cm に在る微量元素を測定することで、直近3カ月程度の以下の項目について調べます。これは血液検査では得ることができない貴重なデーターとして鬱や疲労の検査に応用されていますが、歯科口腔外科でも有益で、私たちは手術前評価やメンテナンスの指標としています。 水銀・鉛・カドミウムなどの有害重金属の蓄積量と排泄能力 脱灰(骨からカルシウムの溶出)の程度 マグネシウムの量 ナトリウムとカルシウムのバランス その他の必須ミネラルの量とバランス 副腎疲労の程度 その他… 重金属 解りやすいのが1の重金属です。これらの蓄積は細胞のミトコンドリア内でエネルギー産生を阻害したり、細胞の分化を妨害します。つまり「疲れやすい」とか「傷の治りが悪い」の元凶で、ビタミンB群のサプリメントを多く摂っているにもかかわらず効果がイマイチという方は、まずこの重金属が毛髪から出てこないかを確認した方が良いでしょう。 ただしこの値は排泄している量や能力を診ていますので、検出されるということは、良好に排泄している証拠とも言えます。重要なのは食事記録や問診などから、重金属が溜まる生活環境かどうかを判断することです。例えば水銀は残念なことに魚に多く含まれる傾向にあります。また歯の詰め物にアマルガムという水銀化合物を使っていると、持続的に水銀を摂取していることになります。また鉛は古い水道管のせいかもしれません。 摂取しているにも関わらず検査で出てこないとすると、排泄能力が落ちていると考えます。この場合は亜鉛を積極的に摂って、メタロチオネインという解毒タンパクを増やしたり、再吸収を防ぐために腸漏れ(リーキーガット)の修復を急ぐ場合もあります。 脱灰 脱灰とは骨からミネラルが溶け出すということで、主にカルシウムのことを指します。カルシウムは非常に重要なミネラルであることは有名ですが、マグネシウムの存在でバランスが取られることはあまり知られていません。カルシウム摂取過剰でマグネシウムとのバランスが崩れたり、摂取不足で根本的に不足すると、細胞内のカルシム濃度の維持が難しくなり、骨を溶かしてまでもバランスを維持しようとします。この現象は見かけ上カルシウムが上がりますので、カルシウムパラドックスと呼ばれています。 毛髪ミネラル検査でカルシウムやマグネシウムが多く出てきた場合は脱灰が起きていると判断し、主にマグネシウムの補給を考えます。マグネシウムは血液検査でも測れますが、整体の恒常性(フィードバックのようなもの)により細胞内で過不足が生じても血中濃度は一定量に保つよう細かくコントロールされており、あまり異常値は出てこないようです。 マグネシウムは吸収効率の悪いミネラルで、胃腸の調子に左右されます。またストレスで過剰に排出される傾向にあり、亜鉛と並び現代人は不足傾向にあります。経口ではニガリなどもありますが、できれば入浴剤やスポーツ用オイルなどを常用し、小マメな摂取をお勧めします。急ぐ場合は静脈注射で補給することもあります。 注意すること 毛髪ミネラル検査は他にも多くの情報を与えてくれますが、その読み方は複雑です。最低でも問診・食事記録・血液検査などの他のデーターと重ね合わせて診る必要があります。 また検査結果はアーチファクトと呼ばれる誤反応が含まれている可能性があり、それを勘案して診断する必要があります。 重金属が検出された場合は解毒(デトックス)を考えなくてはなりませんが、キレート剤という専用薬をいきなり使うと激しい副作用で、それこそ生活ができなくなります。先に書いたように亜鉛の積極補給と腸管の修復を優先し、専門医の指導のもと少しずつ進めて行く必要があります。 なおこの検査のキットは個人が通販でも入手でき、結果も得ることができます。しかしそれを診断して治療に活かすには、専門知識が必要です。決して自己流の判断はされないよう、ご注意ください。 なお毛髪がない場合は、陰毛や爪でも可能です。ただし陰毛は伸びが遅く、爪は先端しか取れないので、直近3カ月のデーターにはならない事を考慮する必要があります。 参考サイト ら・べるびい予防医学研究所 http://www.lbv.jp/analysis/hair.html 株式会社デトックス http://www.doctorsdatajapan.com/toxic-essential-elements/Hair_Elements.html Tweet
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  • 基準値は正常値ではありません

    Tweet 血液検査の結果をご報告するときに最初にお断りしなくてはならないのは、測定値の横に書いてある「基準値」のことです。多くの方はこの基準値内に入っていれば「正常」と勘違いしておられますが(私も以前はそうでした…)まったく違います。すなわち、基準値はあくまで基準であり、参考程度ということです。ちなみに英語では”reference value’と言います。 この基準値はどのようにして決められたものかというと、その検査会社の「社員」を採血して決められています。ではその社員はみんな健康で正常な値なのでしょうか?とてもそうとは思えません。もちろん極端に平均から外れた人の値は削除されて決まるわけですが、このような仕組みのため基準値とは検査会社によってバラバラです。すなわりA社では基準値内だが、B社では基準値外ということが頻発します。 基準値はあくまでその会社の基準で、参考にしてくださいという意味です。昨今の栄養の過不足を省みるまでもなく、統計の母集団には健康が思わしくない人が多数含まれていることでしょう。 もちろん会社により使う検査試薬も装置も違いますので、それだけでもバラツキがでてきます。そのような事を勘案して診断が進められます。 検査結果が基準値内で一安心と言いたいところですが、機械的にOKというような話であれば、それは小学生でもできる仕事で医師の仕事ではありません。測定値の上下変動には多くの要因が絡んできますので、徐々にご説明して行きたいと思います。 参考サイト:Blog:歯界良好 血液検査ってヘンだ? Tweet
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  • タンパク質を増やしたら調子が悪い!?

    Tweet 食事記録と血液検査データーを読んでいると、もうほとんどの方が「タンパク質の摂取不足」であることが解ります。 タンパク質は体の中で1日約200gがリサイクルされていますが、排泄される分を補うために毎日約70gを食事から摂る必要があると言われています。 タンパク質をほとんど食べていないのに、総タンパクは7.4くらいで基準値に入っている方がおられます。これは低タンパクと同時に脱水による血液濃縮がおきているため、見かけ上基準値内に入っているのではないかと予想します。必要なタンパク質は、筋肉を分解して得ています。その分体重が減りそうですが、糖質過多の食事をしていると脂肪が溜まって行きますので、±0で気がつきません。 分子整合栄養医学を始めて学んだとき、タンパク質の大切さを教えられました。だから解りやすく肉・卵・チーズをたくさん食べましょうという、MEC食が提唱されるわけです。これに野菜を加えれば完璧…と、最初はそう思っていました。 しかし現実はそんなに簡単ではなく、タンパク質を増やすとかえって調子が悪くなる人がけっこういることを知りました。 原因は簡単でした。胃腸がうまく動いてなく、消化不良を起こしているのです。具体的にはこうです。 胃酸が少ない(ペプシノーゲンというのを測ると解ります) 胃にピロリ菌が感染している(胃粘膜が萎縮して胃酸が出ない) 消化酵素が少ない(便総合検査というものをやると解ります) 腸に乳酸菌が少なく、カンジダなどの悪性菌が優位になる(便総合検査や有機酸検査で解ります) 1と3は大元がタンパク質なので、タンパク質を増量したいのですが、そうしても消化吸収ができないのでかえってうまく行きません。また2と4は除菌や減菌を先に考えなくてはなりません。 特に4のカンジダが腸内で勢力を持っていると腸のフィルター機能が壊されて、未消化のタンパク質がどんどん血中(つまり体内)に流れ込んで行きます。これが遅延型食物アレルギー(IgG)で、体調不良の大きな原因となります。 また消化が悪ければ、アミノ酸に分解されていないタンパク質は腸内で腐敗しますから、お腹が張って体調不良を助長します。便秘で何日もタンパク質が停滞しているようであれば、その影響はさらに強くなります。 さらに胃酸が少なければ鉄や亜鉛のイオン化ができず、フェリチンが少ないからとヘム鉄を飲んでも腸内で活性酸素を発生させるだけで、やはり体調不良を助長します。 タンパク質の摂取上限量はないという話がありますが、それはあくまで胃腸が健全な人の話です。タンパク質を増やしてかえって調子が悪くなったとか、もともと肉は食べられないという方は、積極的に阻害因子検査をして解決策を見つけることをお勧めしています。またカロリー不足にならないよう緩やかに糖質制限を進めながら、消化酵素剤や乳酸菌の積極摂取から始めた方が、結果が早いと感じています。 もちろんその前に胃腸の働きを楽にするために、食事はきちんと噛まないことにはどうしようもありません。一口最低30回、しかしこれだけで挫折する人がおられるくらいですから、現代食とは甘やかしの商売の上に成り立っていることがよくわかります。 Tweet
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